国史跡・小笠原氏城跡「林城跡」 ~松本市

松本の城といえば「国宝・松本城」!だけではないのです。
松本は、「国史跡・小笠原氏城跡」と合わせて、室町(井川城跡)→戦国(林城跡)→近世(松本城)と、3つの城で城の変遷が追える、城好きの聖地のような場所なのです。
戦国時代の山城である国史跡の「林城跡」の大城を、松本市教育委員会文化財課長の竹原学さんに案内していただきました。
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林城を築いたのは、信濃守護の小笠原氏。15世紀中ごろに、井川城から林城(大城・小城)一帯に本拠地を移します。
約560年前に作られた山城は、今も堀切や土塁、石積みが残っています。
山のてっぺんで、城の中心となる平場=主郭の標高は844m。
登り口から高さ200m、距離1km、所要時間1時間ほどのの軽登山です。
登り口付近は、乗鞍岳や三角形の常念岳も見える北アルプス絶景ポイント!
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山の尾根には、段々畑のように平場が作られています。
これは松本の山城の特徴のひとつだそう。「特に林城の段々は群を抜いて壮大。
城の中心部に対して周りの段々=平場が広く長くとられている」と、竹原課長。
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また、素人の私でも「これ、堀!」とわかるくらいのしっかりした溝が残っています。
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堀を固める土塁は壁状態で(角度が30~45度)、見上げるほどの高さ。
高いところでは7mを超えるそうです。「底は平らではなくV字…薬研になっているので、入ると複数人数並ぶことができません。
横一列になった敵を、サイドから一人ずつ始末していけばいい…という作りです」と、竹原課長。写真ではなかなかわかりませんが、かなりのハードモードな作りでした。
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城の中心となるてっぺんの主郭は幅23m×長さ60m。
副郭が幅30m×長さ38m。両方とも土塁で囲まれた平場で、松本城が入るほどの広さだそうです。
主郭の奥には一部、戦国時代の石積みも残っています。
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甲斐から攻めてくる武田信玄に対抗する城のひとつでもあった林城。
さすがの防御態勢…と感心する私に竹原課長が放った一言。
「これだけ壮大な城を作っていながら、この城…戦をしていないんです。」え?「戦をする前に、武田の強大な力の前に、小笠原氏は自落(降参)しちゃうんです。」と。
ええええええっ?まさかの未使用~!でもそういう城はけっこうあるそうで、「軍事施設としてだけでなく、城主・武家の威信を示すための装置でもある」と、竹原さん。
壮大な城を作る財力、技術、支配力があるってことですもんねえ。
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「松本城の天守や石垣をイメージして林城に来ると『何もない』という感じでしょうが、地面に刻まれた堀や土塁、郭の跡を見ながら、当時『どのくらいの兵がいたのか』とか『どこにどんな風に小屋を建てたのか』とか『ここに籠ったのか』とか想像しながら過ごして。
逆に何もないから想像力が働く。城好きにはたまらないところ」と、竹原さんが微笑んでらっしゃいました。
城好き落語家の春風亭昇太師匠も、昼ご飯も食べず電車の時間ぎりぎりまで林城跡を堪能してたらしいですよ。
なお、山城散策は冬場が一番のおすすめ。
木々から葉が落ち、草が枯れると…地形がわかりやすくなり、戦国武将も見渡していたであろう、遠くの山々の連なりが見えるのです。
ただ、「松本は、夏場でも見やすい」と、山城研究の先生方のお墨付きがあるそうです。
夏場もあまり下草がなく、湿度が低くてさわやかなのが原因みたいです。
「地元のみなさんがきれいに手入れしてくださっているので、遊歩道も歩きやすいんです」と、竹原さん。
のちに松本城主となり、その後、明石を経て小倉に入る小笠原氏。福岡の戦国歴史ファンなら行っとかなきゃ!の松本です。
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【放送を聞く】

□ 国史跡・林城跡 →
https://www.city.matsumoto.nagano.jp/smph/miryoku/bunkazai/yamajro/hayashi.html
□ 新まつもと物語 → 
https://visitmatsumoto.com/
□ 長野県公式観光サイト → 
https://www.go-nagano.net/
□ FDA フジドリームエアラインズ →
http://www.fujidream.co.jp/

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