江戸時代、京と江戸を結ぶ天下の往来だった中山道。その宿場町だった奈良井宿は、当時の面影を残したまま今もにぎわいを見せています。街道には「鍵の手」と呼ばれるクランク状の道路があったり、あちこちに水場があって水が飲めたり、宿に入るところの木の大橋があったりして、まさに宿場町なんです。出梁造り(だしはりづくり)と呼ばれる、1階の造りより少しせり出した2階と大屋根が特徴の家々は、千本格子も美しく、そんな風情ある家並みが1kmほど続きます。白漆喰の袖うだつや大戸とくぐり戸の組み合わせ、入り口横のしとみ戸、あちこちに施された彫刻…。どの家も見るほどにおもしろい。もう、江戸時代そのままの雰囲気!とはいえ、奈良井宿は住民のみなさんが普通に生活している町なので、町の空気が生きてるんです。
今回、奈良井宿の雰囲気を満喫しようと、宿泊させてもらったのが「御宿 伊勢屋」という民宿です。ご主人の(といっても若主人さんです!)酒井正樹さんは奈良井宿のことを「古い街並みが残りつつ、でもみんなちゃんと生活してて、地元の人も仲良くやってるんですよ」とおっしゃいます。また奈良井を訪れた人には「街並みを見たりとか、最近新しい店も増えたりしてるので、店の人と会話しながらいろんな店をみてもらえればいいかなあ」と、おっしゃってました。この伊勢屋、母屋は文政元年(江戸後期)の建築なので、もう築200年以上経ってるんです。土間があり、内に入って見上げるとすごく立派な梁があり、そりゃあ見事なもんです。また、泊めていただいた母屋の2階のお部屋は、窓際(=格子際)に小さな廊下があって、そこから格子越しに外を見ると旧中山道が見下ろせるんです。もう、江戸時代の旅人気分ですよっ!地元の山の幸満載のお食事も、コウヤマキという木のお風呂もすばらしい~。
朝は、鳥のさえずりを聞きながらお散歩。冬のひんやりした空気がすーすーして気持ちがいい!途中、水場でお水をごくごく飲んでさわやかさ5倍!濃い茶色の家並みは江戸時代そのものなのに、現代を生きてる奈良井の住民のみなさんがごみを出したり、犬の散歩したり、車で出かけたり…。すごくおもしろいんです。泊まったからこそのタイムスリップ感。ぜひぜひ味わってください。
□ 伊勢屋 → http://www.oyado-iseya.jp/
□ 奈良井宿 → http://www.naraijuku.com/
□ FDA フジドリームエアラインズ → http://www.fujidream.co.jp/