信州まつもと空港から小一時間位で到着する山あいの温泉・白骨温泉。お湯が長時間空気に触れると乳白色になり、硫黄系のしっかりした温泉の香りがするいいお湯です。昔から「白骨の湯に3日入ると3年風邪引かない」などといわれる温泉ですが、今回私が実感したのは「白骨の湯に3日入ると3年肌が若返る!」ということ。1日しか入ってないんですけど、ま、そんな勢いでってことで(笑)。だってね、すごいんですよ。お湯の具合を見せてもらった時に、湯船に手を入れたほう(左手)はすべすべつるんとしてて、入れてないほう(右手)は乾燥してるんですもの。写真でわかるかなあ?すんごい衝撃ですよ、自分でも。ちなみに露天風呂チェックのため裸足でうろうろしたスタッフは「足先がつるつるする」と言ってました。
そんなわたしの思いを聞いて、丸永旅館のご主人・筒木さんは「白骨のお湯は弱酸性で、お肌に一番近いんですよね。そういえば大学時代からの友人のお母さんが、うちに来ると必ず温泉水を持って帰って、それで顔を洗ってましたね」と、教えてくれました。やっぱり~。この日は、顔を洗って化粧水なしで寝ましたが、お肌は元気でした。そして、ぬるめのお湯の丸永旅館。長い人だと3時間くらい露天風呂に入っているといいます。ただお湯にぼーっと浸かっているだけ。筒木さん、心配して様子を見に行ったくらいだそう。とにかく湯あたりしないんです。露天風呂の湯船は38~40℃くらい、外気はマイナス10~12℃。ただ、お湯にあたためられて湯船の真上の空間はマイナス5~6℃くらいにあたたかくなってます。そうそう、丸永旅館はお布団に湯たんぽを入れてくださってたんですよねえ。あれには心つかまれました。幸せに眠りにつけました~。
また、白船荘新宅旅館の齋藤康行さんは白骨温泉の各旅館のお湯について「ぱっと見た目は白濁で同じように見えるかもしれないけど、温泉がゆを作ると微妙に味が違うんだよね。そもそもうちのお湯だって、昨日と今日、さっきと今、冬と夏でも違うだろうし。とにかく入ってもらえればよさが分かると思います。まあ、お湯の力を感じてもらうというか、お湯は生き物だっていうんだから生きてるんだろうね」と、おっしゃってました。また、新宅旅館のお湯の魅力について、「とにかく見ていていいなと思うし、入って気持ちがいい」とおっしゃいます。「視覚的には、朝の光が入ってきてお湯が変化するとか、そういうことでも楽しめます。神秘的なんですよ。一日に何回か入っていると間違いなく変化しますね、お湯が」とも。お風呂が一番混み合うのが午前5時ごろってんだから、すごいじゃないですか(笑)。
そして、大正時代の建物と、古材を生かして明治時代の建物を再現して使っている湯元斎藤旅館。小説「大菩薩峠」でこの温泉を描いたことで「白骨温泉」の名付け親になった作家の中里介山も泊まったこの旅館の村中博さんは、白骨温泉のよさについて「他の温泉地へ行ってみて帰って来て“ああ、いいなあ”って実感するんですよね。温泉らしい温泉っていいますか。お客様からも言われるんですけど、イメージどおりの臭い、乳白色のお湯、あつからずぬるからず何時間でも入っていられるって」とおっしゃいます。時間があれば1日でも2日でも雪景色見ながら温泉に入って、ゆっくり時間を過ごしてほしいと、それが今みたいな世の中には必要じゃないか、ともおっしゃってました。
また地学・地質学がお好きな方には、噴湯丘を見たり、何万年も前、白骨温泉全体が大きなお湯の湖だったことがわかる地殻変動のあとなどを見て周るのも楽しそうですよ。丸永旅館の筒木さんが詳しいんですよ~。
□ 白骨温泉 → http://www.shirahone.org/
□ FDA フジドリームエアラインズ → http://www.fujidream.co.jp/