Monthly Archive for 2月, 2016

「麻績」って、読めますか?

長野県麻績村。よみかたは「おみ」です。麻績村村長の高野忠房さんに教わってきました。
これ、麻を績む(うむ)って読むんだそうです。
績む(うむ)っていうのは、糸をつむぐ、ひく、と同じように、長いものを接いで糸にしていく作業の事だそう。
「この麻績(おみ)では古代から、麻を績む…苧麻(ちょま)を作って、信濃布を作っていたんです。
信濃布は有名で超一級品だったんです。正倉院にも刻印を押されて納められている…そのくらい上質だったんですね。
またお伊勢さんにも納められていて、麻績村は伊勢神宮の御厨だったんです。麻を作り、鮭・筋子、勝ち栗、干しナツメを送っていたんです」と高野村長。
また「麻績部(おみべ)」というのは麻布を担当する部族で、その部族がいたから地名が麻績となるので、全国に麻績という地名があるのですが、自治体名で残っているのは麻績村だけなんだそう。
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で、この麻績村。りんごの名産地でもあるんです。なかでも日向(ひなた)という地区のりんごは格別だと評判なんだそうです。
その日向のりんごを加工して「干しりんご」にしたのが、麻績村地域おこし協力隊の白木和真さん。
特徴は、リンゴを八つ切りにした、そのままの厚い状態で干していること。スライスしたリンゴチップスは見たことあるけど、これは初めて!
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いわゆるセミドライタイプって感じで、外は少し硬いけど、中はソフトな感触が残ってます。
噛んでみると…最初は、ややしっとり感はあるものの“ぱすん”とした感じ。
10秒後、噛めば噛むほど甘みが膨らんできます。
唾液がリンゴと絡まってくるからでしょうか。最後にはリンゴの繊維質が復活してきます。これは、おいしい!
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白木さんんは「麻績のリンゴはほんとうにおいしいので、何とか加工できないか」と工夫したそうです。
生のリンゴの味・風味をそのまま残す形で干せないかと考えて、この形になりました。
「生がおいしいので生が一番と思うんですけど、リンゴは流通の規格がなかなか厳しいこともあって、キズがついたり形が悪かったり、小さいという理由で、生食での流通にのらないモノが結構あるんです。
そういった“ハネ出し”を再利用して新しい商品ができないかと」開発なさったんだそうです。
「これだったら軽いのでおみやげにいいですね」と申し上げましたら、白木さん曰く「おみやげもですが、アウトドア…山登りにいいんですよ。持ち運びしやすいし、軽くて栄養価が高いから。
これ、1袋で30個分入ってるんです」と。
おおお。これは、朗報。2015年秋にデビューした『ひなたの干しりんご』。
少しずつ販売スタートしています。麻績村内の施設のほか、各地での物産展でも販売されることがあるようです。
白木さんの「ふたごや」でも通販してくれるようです。
私もお土産にいただいたのでスタジオに持っていきましたが、スタッフにも大人気でした~。
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□  麻績村観光 →
http://www.vill.omi.nagano.jp/kanko/

□  ふたごや →
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□  松本広域連合 →
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□ FDA フジドリームエアラインズ →
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楽都・松本のバイオリン職人

今年2月、楽都・松本に嬉しいニュースが飛び込んできました。
2013年の「サイトウキネンフェスティバル松本(現・セイジオザワ松本フェスティバル)」で収録された、小澤征爾さん指揮の「歌劇 子どもと魔法」のCDが、アメリカ音楽界の最高峰=グラミー賞を受賞したのです!街もお祝い~。
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世界中から音楽家が集まる、そして音楽を使った教育をおこなう「スズキメソッド」の発祥地でもある松本市でバイオリンを作っていらっしゃるのが、「弦楽器いづつ」の井筒慎一さん。御年79歳。
バイオリン職人歴は約60年。木工ろくろ職人さんの息子さんですが、20歳でバイオリン作りの世界に入られました。
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「松本は空気がいい。湿気がなくさわやかで、楽器を作るには最高の場所だと思う」という井筒さん。
最高の材料を丸太で買い付けて、楽器にします。使うのは、北海道産のカエデやアカエゾマツ。
日本の木は堅いけど材質的にはいいんだそう。「堅いのはワザで何とかする。よく響くように」と、おっしゃいます。
いい材料のものは、すでにベースの形までは作って保管してあるんです。「自分でどこまでも手掛けたいんです。
僕が死んだら息子がやることになる。何もせず持ってかれるのは悔しいから、できることは自分で使いこなしていきたい」と笑っておっしゃる井筒さん。
さらに「娘とか“作っておけ”言うのね。僕が“死んだあと高く売れるから”って(笑)。
でも、作り置きって好きじゃない。注文くださるご本人の気持ちを話の中で聞いて、その思いで作りたいんです。
色や好み、どういう心をしているかわかるから。そういう作り方ですね」と。
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「僕は常に“もっといいもの、もっといいもの”って、そういう思いで作ってる。だから、死ぬ前に作ったやつが一番いい楽器だよ」と、井筒さん。
井筒さんの作る楽器の特徴は「明るいいい音」だというのが、みなさんからの評価だそう。
「何回注文しても井筒さんの楽器はわかる」って言われるくらい、同じような音がするんですって。
ちなみにお値段はバイオリン一台が30万円~200万円くらい。
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また、井筒さんのところではバイオリンを“作る”教室もなさっています。
材料や部品がセットされたものを購入し(35万円)、月に2回通って1年数か月かけて作るんだそう。
月謝が1万円だから50万円くらいで完成かな。長野県内だけでなく、東京や千葉から通ってくる人もいるそうで、“6年生の娘さんのコンサートのために”とか、“自分のを作って、次は子供さんの”とか、いろいろ。
しかも、井筒さんがバイオリンを作る時に使う道具をそのまま使わせてくださるんです。
え?道具って職人の魂っていうか…他の人に触らせたくないんじゃないのかしら?
「僕、そういうの嫌いなの。変なのは使わせない。よく切れる道具だと楽しいんだよ」と。
ちょっとチャレンジさせてもらいましたが、確かに楽しい。
削りすぎても修理したりしながら完成にこぎつけられるそうで、完成後は作った人それぞれの個性がよく出てるんだそう。
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あ。バイオリンの中ってこんなふうになってるんですよ~。
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作ることもさせてもらえますが、工房の見学も歓迎だと井筒さんはおっしゃいます。
「松本でバイオリンを作ってるんだよって、で、作ってるトコ見てもらいたいんだよね。
どうやって作るのか見せたいの。こういう職人の仕事は、あらゆるモノづくりの人間ってのはこうだよっていうのを伝えていきたいんです。
バイオリンだけでなくモノをつくるっていうのは、こういうたいへんなことなんだよ、っていう」と。
「何でもいい」ではなく、職人の作るものを大切に使っていく。そういうことを大事にしてきたのが日本人だった。
その部分をなくしていくと職人がいなくなるだけでなく、職人が使う道具を作る職人(例えば鍛冶屋さんだったり、のこの目立てをする人だったり)がいなくなってしまう。
そういうことも含めて、自分で終ってしまわないように…と井筒さんは今日も職人魂を燃やしているのです。

□ 弦楽器いづつ →
http://nttbj.itp.ne.jp/0263586712/index.html

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筑北村の「やしょうま」

長野県には「やしょうま」という餅菓子があります。毎年2月15日に。
お釈迦様の入滅をしのんで行われる法要にお供えされるもので、各家庭で作るのがもともとなんですが、筑北村の「やしょうま」がすごいんです。
こんなにきれいな細工ものなんですよ~。
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これを薄く油を引いたフライパンで焼いて、砂糖醤油でいただく。すっごくおいしい!
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作っているのは、筑北村坂井郷土食研究会(塚田よしこ会長)のみなさん。
右は会長と「やしょうま」リーダーのアイ子さんとチズちゃん。
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パッケージされた完成品は直径5~6cm、厚さ1cmくらいですが、元は長~いんです。
7~80cmくらいあるでしょうか。これを切っていくんです。まさに金太郎飴状態。
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で、この金太郎飴状態になる前は、もっとぶっとい!直径25cmくらいで長さが30cmくらいのかたまり。
これをゴロゴロ転がしながら押していって細長くしていくんです。チャレンジさせてもらったんですが…重たい!しかも結構硬い。
顔の大きさくらいあるものをげんこつ大にまで小さくしていくんですよ~。
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この美しい細工を始めたのは、玉井アイ子さん、玉井チズ子さん、玉井たか子さんの3人。
昭和の終わりごろ、娘さんたちが同級生だったご縁で、昔お菓子屋さんに奉公に出てた方の指導を受けてスタートしました。
取材日、残念ながらたか子さんはお休み。
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アイ子さんとチズちゃんが子供の頃は、14日の夜、各家庭で「やしょうま」を作り、15日に学校に持っていって交換したりしていたそう。
そのころはせいぜい赤丸を作るくらいで、凝ったものはなかったとか。
研究を始めてからは、お座敷の唐紙の絵柄から松のデザインを作ったり、春に花をじっくり観察したり、子供さんの理科の本の付録を見ながら花のデザインを作ったりしてきたそう。
いったい何種類くらいの図柄があるかというと…。「よく聞かれるんだけど、花がある限りできるのよ。
もし、花が800あるなら400はできるわね」とのお答え。今では胡蝶蘭やサクラソウなど、凝ったデザインもいろいろ。
人気があるのは「梅にウグイス」とか「桜」、「ミヤコワスレ」など。絵柄の注文も受けていて、毎年、村の小学校からは校章デザインを頼まれるそう。
「これが、込み入っててたいへんなの。花だったら崩れても“風吹いた”とか言ってりゃいいけど、校章は文字も入るからそうは言えないしねえ」と。
でも、嬉しそうです。ほかにも「祝」の文字や名前、似顔絵をお願いされることもあるんですって。
おそらく全国一きれいな「やしょうま」を作ってるのが筑北村のお母さんたちではないかしら?
12月~4月ごろの農閑期、ぜひ、筑北村で「やしょうま」を入手してください。

□ 筑北村 →
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□ 松本広域連合 →
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鬼橋美智子さんと行く・信州の冬を楽しむ旅

2月2日~4日の2泊3日。20人の旅の仲間と信州の冬を楽しんでまいりました。
乗鞍高原では最高の雪景色!全部凍った牛留池の上を歩いて、青空に映えまくる乗鞍岳を堪能!
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スノーシューを履いて、雪の森を歩くツアー一行。最高齢は80歳代。
リトルピークス代表の小峰邦良さんとガイドの宇賀神志保さんの案内で、うさぎの足跡やヤドリギなどを観察しながら歩きます。
「後ろを振り返らずに歩け」と言われ、いつもの5分の1くらいしかしゃべらない鬼ちゃん(笑)。
気温はマイナスでしたが体感は0℃くらい。冷たい空気がここちよいくらいです。
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目的地は凍った「善五郎の滝」。見事な凍りっぷり!迫力!
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みんなで感動していると「どどどっ」と音を立てて部分的に崩落。これまたすごい迫力。
細かーい雪のようになった氷が舞い上がります。
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せっかくなので、小峰さんに滝の氷を取ってもらって、オンザロックを作って飲んでみました。
グラスの中の音がクリアに響いて、とっても心地いい。
もちろんおいしい!鬼ちゃん、一口飲んで「おいすぃ~っ!何か、すーっと入っていく。氷、違うもん。おいしい~。」と、大興奮。
飯塚からツアー参加の水谷さんも「いい音~。…あ、おいしい!天国、天国。
この景色と、この音と、このウイスキーと。天国。」とご満悦。
小峰さんによると「この自然の中で飲むのもありますけど、ここはマイナス5℃で氷が溶けないので薄まらないですし、やっぱり圧縮して凍ってるので氷の中に空気がないんですよね。
だから溶けにくいですし、最上級のロックアイスですよね、これ。」とのこと。
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今回、グラスとウイスキーを提供してくださったのは、前日泊めていただいた「扉温泉・明神館」。松本市の東側、美ヶ原高原に向かう山道の奥、標高1050mにある癒しの宿です。
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私たちのツアーの3日前、「雪による倒木のため道がふさがれ、120人が孤立」と、ニュースになっておりました。
寒さに負けないスペシャリストの工事のおかげで、前日に道路も電気も復旧。
完全復旧後初の宿泊客だったので、お客様の中には信州のTVニュースや新聞の取材を受けた方も(笑)。
この倒木の原因は『雨氷(うひょう)』という珍しい自然現象だったそうで。上空、氷点下の空気の上に暖気が入ったため発生しました。
普通なら雪で降るはずのものが氷点下なのに雨のまま降ってきて(過冷却というんだそう)、その水滴が氷点下の樹木などに当たった瞬間に凍りつく現象なのだとか。
よって、枝など、先のほうにずっしり重い氷が張りついて、頭が重くなってしまい、木が倒れてしまったのでした。
1本の木に1トンくらいの氷が着いちゃうんだそうですよ。たいへんな被害になってしまったのですが、この雨氷、とびっきりの美しさなんです。
枝の表面をつやつやの氷がくるんでいて、ちょっとジュンサイみたいなイメージかな、で、雨氷に光が当たると白~虹色にキラキラ輝いて、氷のシャンデリアになるんです。
まさにディズニーアニメの「アナと雪の女王」の世界!あまりにもきれいすぎて、添乗員さんが涙をこぼしちゃったくらいです。
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明神館のおすすめポイントのひとつが「立ち湯」。
小学校の教室2つ分くらいの広さ(by鬼ちゃん)の、壁四面のうちの一面をぽんと外して庭というか森に向かって開かれている作りで、その外へのキワキワまで、120cmの深さの湯船になっています。
立ったまま胸元まで湯に包まれている感覚と、雪の森のながめが最高に気持ちいい!
また、入り口近くから見ると、湯船に森が映りこんで絵画のようなお風呂なんです。
見て美しいお風呂なんて、すごい!と思いません?
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今回は夕食はナチュレフレンチ。まるで絵画やオブジェのようなお皿が並び、
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お鍋のなかには、びっくり!花びらが敷き詰められた上にお肉!
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デザートもレストランも素敵。
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朝食は、すてきな「信州ダイニングTOBORA」で和食をいただきました。
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親孝行で訪れたいような、すてきなお宿です。

□ のりくら観光協会 →
http://norikura.gr.jp/

□ リトルピークス →
http://www.littlepeaks.jp/

□ 扉温泉・明神館 →
http://www.tobira-group.com/myojinkan/

□ 新まつもと物語 →
http://youkoso.city.matsumoto.nagano.jp/

□ FDA フジドリームエアラインズ →
http://www.fujidream.co.jp/