Monthly Archive for 11月, 2013

旧中山道・奈良井宿

江戸時代、京と江戸を結ぶ天下の往来だった中山道。その宿場町だった奈良井宿は、当時の面影を残したまま今もにぎわいを見せています。街道には「鍵の手」と呼ばれるクランク状の道路があったり、あちこちに水場があって水が飲めたり、宿に入るところの木の大橋があったりして、まさに宿場町なんです。出梁造り(だしはりづくり)と呼ばれる、1階の造りより少しせり出した2階と大屋根が特徴の家々は、千本格子も美しく、そんな風情ある家並みが1kmほど続きます。白漆喰の袖うだつや大戸とくぐり戸の組み合わせ、入り口横のしとみ戸、あちこちに施された彫刻…。どの家も見るほどにおもしろい。もう、江戸時代そのままの雰囲気!とはいえ、奈良井宿は住民のみなさんが普通に生活している町なので、町の空気が生きてるんです。
   

今回、奈良井宿の雰囲気を満喫しようと、宿泊させてもらったのが「御宿 伊勢屋」という民宿です。ご主人の(といっても若主人さんです!)酒井正樹さんは奈良井宿のことを「古い街並みが残りつつ、でもみんなちゃんと生活してて、地元の人も仲良くやってるんですよ」とおっしゃいます。また奈良井を訪れた人には「街並みを見たりとか、最近新しい店も増えたりしてるので、店の人と会話しながらいろんな店をみてもらえればいいかなあ」と、おっしゃってました。この伊勢屋、母屋は文政元年(江戸後期)の建築なので、もう築200年以上経ってるんです。土間があり、内に入って見上げるとすごく立派な梁があり、そりゃあ見事なもんです。また、泊めていただいた母屋の2階のお部屋は、窓際(=格子際)に小さな廊下があって、そこから格子越しに外を見ると旧中山道が見下ろせるんです。もう、江戸時代の旅人気分ですよっ!地元の山の幸満載のお食事も、コウヤマキという木のお風呂もすばらしい~。
 

     

朝は、鳥のさえずりを聞きながらお散歩。冬のひんやりした空気がすーすーして気持ちがいい!途中、水場でお水をごくごく飲んでさわやかさ5倍!濃い茶色の家並みは江戸時代そのものなのに、現代を生きてる奈良井の住民のみなさんがごみを出したり、犬の散歩したり、車で出かけたり…。すごくおもしろいんです。泊まったからこそのタイムスリップ感。ぜひぜひ味わってください。

□ 伊勢屋 →  http://www.oyado-iseya.jp/
□ 奈良井宿 → http://www.naraijuku.com/
□ FDA フジドリームエアラインズ → http://www.fujidream.co.jp/

     

木の花屋の漬物アレンジ

信州=長野県はお漬物どころでもあります。千曲市にある『木の花屋(このはなや)』では、長野県産を中心とした国内産野菜や山菜の漬物を販売するだけでなく、漬物を使ったアレンジ料理を食べる事もでき、また作り方を教えてもらう事もできるんです。そのまま食べる以外には、せいぜい古くなった野沢菜を油炒めにしたくらいしかない私。「アレンジったって…???」な中島に、やさしく漬物料理を教えてくれたのは木の花屋の飯島優子さん。
 

じゃあ、「アボカドとわさび茎佃煮のピリマヨサラダ」を作ってみましょう~。
1) アボカドの皮をむき、1cm角くらいの食べやすい大きさに切ります。
2) じゃがいもも同じくサイコロ状に切って、ゆでます。
3) わさび茎佃煮を適量入れます。
4) マヨネーズを加え、全体を混ぜます。はい、できあがり。
ぎょえええええ~っ!早っ!超簡単。
 

続いて、「このはな漬みょうがの混ぜごはん」
1. 適量のごはんに適量のこのはな漬けみょうがを入れ混ぜます。
終わり。
「はい?終わり?」「そう、終わり。」えええええ~っ!
「ラップにくるんでかわいいリボンや紐で結んで茶きんにするとかわいいですよ。」
 

じゃあ、ちょっと難度を上げましょう。「きざみ味噌漬の生春巻」
1. ライスペーパーをさっと水に通します。
2. 細く切ったパプリカ、半枚きりくらいの大葉(もしくはイタリアンパセリ)、半分に切ったスライスチーズの順にライスペーパーの上に置く。
3. 三方の端を具が出ないよう内にたたみ、くるくる巻いていく。
おおお。すごい!立派なオードブルだ~。
 

“もっと漬物を食べてほしくて”考え出された漬物アレンジメニューたち。ほかにも『わさび茎入りなめたけ』を豆腐の上にトッピングしたり、イカをゆでて『シバ漬け』と和えたり、卵焼きに『野沢菜しそ醤油漬け』を入れたり…。「調味料代わりに使ってもらえたらいいと思うんです。」「山椒入りきゃらぶきを、大根とサツマイモとで煮ものにするとおいしいのよ~。いろいろ活用できますよ。」と、飯島さん。また、「信州は自然豊かでしょ。そのなかで育った旬の野菜をいかに活かして使うか。年中食べられるように塩漬けして、余すところなく食べてもらえたらいいな、と思ってるんです。」ともおっしゃってました。想像以上に簡単で目からウロコの漬物アレンジ。ぜひぜひ、教室に参加して、ランチもどうぞ。お漬物はお取り寄せもできますが、やっぱり現地に行って、味見して、あれこれ悩みながらお買い物するのがおすすめです。

□ 木の花屋 → http://www.konohanaya.co.jp/
□ 千曲市観光協会 →  http://chikuma-kanko.com/
□ FDA フジドリームエアラインズ → http://www.fujidream.co.jp/

   

楠ワイナリー

長野県はおいしいワインの産地でもあります。県内各地に大小さまざまなワイナリーがあって、これを巡るのもまた楽しいのです。今回お訪ねしたのは、長野県北東部にある須坂市の「楠ワイナリー」。住宅地の中の小高い丘にうすいワイン色の三角屋根の建物が建っています。前庭にはかわいらしい花々が咲き、建物の横にはブドウ畑もあります。なんだか外国のよう。楠ワイナリーの代表・楠茂幸さんは、20年のサラリーマン生活を経て、ふるさと須坂に帰ってきた方。実家は農家ではないので、一から畑作りを始めたパワフルな人なんですよ~。楠さんがおっしゃるには「須坂を含む北信エリアは、ワインのためのブドウ栽培には日本一適したところ」なんですって。気象指標がフランスのボルドーに近いそうです。ちなみに山梨だとちょっとあたたかだし、東北から北海道だとシャンパーニュ(シャンパンの産地)に近いとか。さらに、北信は一日の中での気温差も大きくて、これがまたブドウ栽培にいいんだそうです。
 

楠ワイナリーのワインの特徴は、日本食にも合うということ。白は海産物にいいし、赤もフランスやオーストラリアのものに比べると軽くて、1本で食事の最初から最後まで通して楽しめるということだそう。途中で飲み疲れすることなく、会席料理でも最初から通して飲めるんですねえ。
おいしいワインは原料で8割が決まるんだそうで、日滝原というところで大切にブドウ作りをなさっています。品種や状況に合わせて、棚仕立ても垣根方仕立ても採用。普通の栽培法より高い位置で枝分かれさせて、上下に枝を振り分け、光合成不足にならないよう、芽を残したり落としたり…。
そうやって出来上がった楠さんのワインは、やはり地元食との相性が最高だそう。春なら山菜の天ぷら。その苦味に白ワインをあわせた時のおいしさは幸せいっぱいみたいです。また意外にも信州のソウルフード「おやき」と赤ワインの組み合わせもおいしいんですって。蒸し焼き、そば粉入り、揚げて焼きなどいろいろありますが、それぞれにいいんだそう。具はシメジもおいしいし、野沢菜の油いためとか、かなりイケてるそう。「きのこ類は白でも赤でもいいですねえ。野沢菜のお漬け物そのものなら軽めの白がいいかな…」など、楠さんはいろんなアドバイスもしてくれます。テイスティングさせてもらいながら、楠さんと一杯お話して、好みのものを見つける楽しさを体験してください。地元・須坂動物園から3度の脱走を試みたことで評判になった、ペンギンの“とっとちゃん”をイメージして商品を作ったり、地元愛にもあふれる楠ワイナリーです。私は「日滝原」という白ワインを買って帰りました。「すぐ飲んじゃだめですよ。クリスマスまで待ってから飲んで下さいね」という楠さんのアドバイス、しっかり守ってま~す。

□ 楠ワイナリー → http://www.kusunoki-winery.com/
□ 須坂市観光協会 →  http://www.suzaka-kankokyokai.jp/
□ FDA フジドリームエアラインズ → http://www.fujidream.co.jp/

美酒「水尾」

信州はおいしい酒どころでもあるのですが、特にお気に入りの名酒が飯山にあります。その名は『水尾』。
田中屋酒造という酒蔵が作っています。ご主人は6代目当主の田中隆太さん。隆太さんが跡をついでから『水尾』を誕生させました。
 

隆太さんが作りたかったのは「飲みごたえよりも、あと味が軽くスムーズなお酒」「飲み重ねても飲める、障りないお酒」。でも、ただやんわりした味ではなく、しっかりした香りと味の深さがあって、なおかつあと味があっさりしているというもの。で、隆太さんが探し出して選んだのが、地元の水尾山という山から湧くすごい軟水。そして、地元の農家さんに作ってもらう金紋錦という酒米。よくお酒に使われる山田錦をちょっと田舎っぽくしたような味だそうですが「それがうちの個性」と、隆太さんは笑います。8割くらいは蔵から半径5km以内の契約農家さんに作ってもらってるとおっしゃってました。長野県で作られるお米は、若干アミノ酸値が高いらしく、旨みがたっぷりなんだそう。その旨みがお酒に乗りやすいので、新潟あたりの淡麗とは違ってくるんですって。米の旨みを活かし、水の軽さで酒の軽さを出して、旨みとあと味の切れのよさを水の軽さでつなげて作るイメージです。そこに流行りのお酒とはちょっと違う、さわやかな香りがのっかってくるんですねえ。
 

「飯山に住んでいる人が、飯山の環境といっしょに飲むお酒として、なにより地元の人にもらうためのお酒造りをしています」とおっしゃる隆太さん。なかなか県外での購入はハードルが高い逸品ですが、ぜったい福岡の酒飲みは好きな味なんです。玄界灘のお魚との組み合わせは絶妙ですよ。採れたて野菜ともおいしいし。まずは、飯山に行って店先で試飲してお気に入りを見つけて楽しむ。飯山の飲食店でも飲む。そしてお土産にも買う。この感じでお楽しみください。

 

□ 田中屋酒造 → http://www.mizuo.co.jp/
□ 信州いいやま観光局 → http://www.iiyama-ouendan.net/
□ FDA フジドリームエアラインズ → http://www.fujidream.co.jp/

飯山仏壇

長野県と新潟県の境に近い飯山市の特産品として、仏壇があります。江戸の中期くらいから盛んになったといいますから、福岡の八女の仏壇と同じくらいの歴史があるわけですね。
面白いのは、11軒ある仏壇屋さんが通称「仏壇通り」と呼ばれる300mくらいの通り沿いにずらっと並んでいて、その軒先は「雁木(がんぎ)」という昔のアーケードのようなものがつながっていること。雪深い飯山ですので、雪よけのための雁木なのですが、独特の雰囲気を醸し出しています。また、ひとつの通りに仏壇店と職人さんがこれだけ集まっているのは珍しいのだそうです。まさに仏壇商店街って感じなんですよ~。
 

その中の一軒、上海本店(じょうかいほんてん)の上海一徳さんに、いろいろ教えていただきました。
飯山仏壇の特徴としては、欄間のような部分=長押(なげし)が弓形にくり上がっていて、中の宮殿(くうでん)がよく見えるようになっている点。また、胡粉盛り蒔絵(ごふんもりまきえ)の施された扉も特徴です。蒔絵に立体感を持たせるための技法で、胡粉=貝の粉をニカワで溶いたものを盛り上げて立体感を出し、その上に漆を塗って金粉で仕上げるのだそうです。ほかにも彫刻がたくさんで、飾り金具をたくさん使うことも特徴だとか。
   

お寺も多く、信仰心の厚い土地柄に加え、気候が漆器を塗るのに適していること、また原料となる漆や木材が採れたことも飯山仏壇が発展してきた理由のようでもあります。「江戸末期までは素地もののシンプルな仏壇だったかもしれませんが、善光寺地震の後、善光寺の修復のために京都あたりから職人が来て手直しをした、その技術が定着していった影響もあるかもしれません」と、上海さんがおっしゃってました。
また、JR飯山駅前に作られた山門(?)には、飯山の仏壇職人が作った仁王像があります。実は、明治45年の善光寺ご開帳の時に、善光寺に安置されていたものだそう。当時、善光寺の仁王像は消失していて、「ご開帳の時には何とか仁王像を安置したい」というお寺の思いに応えて、一ヶ月という超短期間で飯山仏師が間に合わせた像なのだそう。飯山仏壇に携わる職人さんたちの心意気と技術が感じられるエピソードです。
 

飯山仏壇通り周辺は、いごこちのいいお寺さんがたくさんです。のんびり時間をかけて散策したい、いい町ですよ~。
   

□ 飯山仏壇事業協同組合 → http://www.avis.ne.jp/~butsudan/
□ 飯山仏壇 → http://www.iiyama-ouendan.net/special/butsudan/index.php
□ 上海本店 → http://www.jokai-honten.com/index.html
□ FDA フジドリームエアラインズ → http://www.fujidream.co.jp/