Monthly Archive for 10月, 2009

信州サーモン

さて、今回の取材中、よく食べたものの中に信州サーモンがあります。これ、長野県の特産品なんですが、ニジマスとトラウトサーモンを交配させた一代限りの養殖魚なんです。肉厚で、とろんとした食感、しっかりした味わいがあります。印象的だったのは、安曇野市の温泉宿「ほりで~ゆ~」でいただいた信州サーモン丼。ご飯が軽めの酢飯だったので食も進みましたねえ。

また、ほりでーゆーのすぐ近く「国営アルプスあづみの公園堀金・穂高地区」では、生きてる信州サーモンが見られます。予想より大きな銀色の魚でした。
 
この公園、おもしろいとこでしたよ。自然の営みや人々の暮らしの歴史を楽しみながら学べて、緑の中で遊べる…林間学校みたいなところなんです。夏休みの自由研究が詰まってる感じかな。昔の学校を思わせる建物の作りもわくわくします。
 
 
○信州サーモン → http://www.pref.nagano.jp/xnousei/suishi/s_salmon/salmon.htm
○ほりでーゆー → http://www.holiday-you.co.jp/
○国営アルプスあづみの公園 → http://www.azumino.go.jp/index.php

JA全農長野

信州の恵みがぎゅうううっと詰まった農作物を届けてくれるJA全農長野。その施設のひとつ、長野県の南の方、中川村の野菜種苗センターに行ってきました。案内してくださったのはセンター長の荻原正雄さん。ここでは、主に果菜類の苗をつくっています。きゅうりやトマト、なす、ピーマンなどの苗がトレイに整然と並んで、出荷を待っていました。連作障害を改善するための農薬をできるだけ使わずにすむよう、苗の段階で人の手が加えられていることに驚きました。ぱっと見、普通に苗なんですが、よく見ると中ほどにプラスチック(?)のクリップがついています。実は、苗は接ぎ木(といっても樹木じゃないですから本当は接ぎ茎?)されているんです。しっかり根を張ってよい土台になる品種を下半身に、ずっしりとおいしく色艶のよい実をつける品種を上半身に、といいとこ取りした苗を作っているのでした!驚き!
  
信州の農作物は、標高が高くて気温差が大きく(一日単位でも一年通しても)、さらに日射量が多いので、甘くておいしい色のいいものができるのだそう。種苗センターを伊那谷の中川村に作った理由について、荻原さんは「水です」ときっぱりおっしゃいました。「南アルプスと中央アルプスに挟まれて、豊富な水を抱えています。地下水を使って苗を育てていますが、どんなに少雨の年でも1年中水が涸れることはありません。水の質と豊富さを含めて立地しました」と。信州は、日本の真ん中に位置しているので全国に向けて農作物を出していけますが、「やっぱり、ここに来て、そんで食べてほしいなあ」とおっしゃってました。「直売所とか、しっかり熟れてから出せるから、おいしさもひとしおだ」そう。たしかに。信州に取材に来ると、ついつい、かなり食べ過ぎてしまうんですよねえ。
ラジオ祭りでは、信州のりんごが登場です。信州のりんごは、冷蔵保存などせず、採れたての旬の品種だけが出荷されます。今の時期だけの品種をおいしくいただけるのが信州りんごの正しい楽しみ方かと。ご期待ください!

養命酒製造株式会社 駒ヶ根工場

その名を聞いて知らない人はいないであろう「養命酒」。そのふるさとも信州です。現在の工場が長野県南部の駒ヶ根市あるだけでなく、養命酒が生まれたのも長野県中川村なんですよ。養命酒が最初に作られたといわれているのが1602年。すでに400年以上の歴史があります。
さて、工場の広さは36万平方メートル=11万坪。野球グラウンドが28面とれる広さです。そのうち70%は自然の森林のまま。その森を歩く自然散策路が設けられていて、さらに工場内を流れる川は、CM撮影ができるくらいの清流なのです。普通は商品のイメージに合う場所を探すものですが、商品が生まれた場所に最高のロケーションがあるなんて、すごすぎます。イメージアップのための作業はいらない。できた場所を紹介すればいいだけなんて…。自然豊かな場所で養命酒が生まれていることを実感いたしました。さらに、縄文・弥生時代から、平安時代にかけての遺跡も敷地内にあるんですよ。
 
さて、工場見学の案内をしてくださったのは久保田湖之美さん。その説明によると、養命酒の大切な原料でもある水を守るため自然の森林を大切にしており、駒ヶ根工場ができた昭和47年当時から、環境への思いを大切に工場が作られているとのこと。電線やパイプなどは、景観を損ねないように、また天候に関係なくメンテナンスできるように、全て地下におかれています。また、山の斜面を利用して、上の方から下に向かって製造工程が進むよう設定されています。液体が自然に流れるようになっているんですねえ。モーターなどでくみ上げたりせずに、自然の力で移動させていく。「なるほど~」とひざを打ちましたよ、私。駒ヶ根工場という名前なので、他にも工場があるのかと思ったら、養命酒はすべてここで作られているとのこと。1000ml、700ml瓶入りに加え、工場限定の300ml瓶も製造されています。

さらに詳しいお話を、養命酒駒ヶ根工場健康の森グループ副長の新沢伸一さんに伺いました。養命酒の工場は昭和の初めくらいまでは、現在地よりさらに南の中川村にありました。その後、諏訪湖畔の岡谷に移り、昭和47年に駒ヶ根にやってきました。養命酒の原料は酒と生薬と水。水を求めてこの地へやってきたのだそう。うーん、まさに孟母三遷ですなあ。養命酒に使われるのは、中央アルプスが生み出す地下150mからの“極軟水”。ミネラル分が非常に少ないので、口当たりがよくまろやかな水です。この水は「養命水」の名前で販売されてもいます。「南アルプスの水はよく売ってあるので耳にしますけど、中央アルプスの水は珍しいんじゃないかなあ」っておっしゃってました。そういえばそうだ。新沢さんによると、この中央アルプスの水を求めて、駒ヶ根にはビール、ウイスキー、ワイン、酢、味噌、醤油…と水と空気の良さが必要な醸造業の工場が集まっているとのこと。ふむ。業務利用されているがゆえ、ミネラルウォーターとして販売されることが少ないのかしら?かつての養命酒の酒蔵を移築改装した記念館では、養命酒の歴史や50種類の生薬が展示されています。生薬って、例えば陳皮は温州みかんの皮で七味唐辛子に入ってるし、桂皮はシナモンだし、意外に日常に馴染んでるものも多いんですよね。ショップでは養命酒はもちろん、養命酒の製造に必要なみりん=家醸本みりん、養命水、生薬を使ったお酒、お香や健康茶などを買うことができます。
 
さらにカフェもあるんですよ。「カフェ ヒーリングテラス」では、ハーブを使ったからだにやさしいこだわりスイーツや健康茶が楽しめます。残念ながらイチオシの『駒ヶ根工場スペシャルゼリー(桂皮・烏樟・丁子エキス入りの黒豆茶・黒糖ゼリー)』が売り切れだったので、『ゆずとアロエのゼリー』と『わらび餅烏樟〔うしょう〕黒蜜添え』をいただきました。めちゃおいしかった~。緑に囲まれたカフェの環境もまたよし。ハーブとイチジクのパウンドケーキやハーブ入りカカオサブレもおすすめです。スイーツは、すべてスタッフの手作りですから、売り切れごめんでよろしくお願いします。
 
ラジオ祭りでは、養命酒はもちろん家醸本みりんもおすすめ。工場限定商品も登場するかも!お楽しみに~。
○養命酒 → http://www.yomeishu.co.jp/index.html
○養命酒駒ヶ根工場・健康の森 → http://www.yomeishu.co.jp/forest/index.html
 

伊那食品工業(かんてんぱぱ)

ラジオ祭り「さわやか信州」ブースに登場する企業の中から3つを、放送では駆け足で紹介しましたが、ブログではひとつずつご紹介していきますね。
まずは、伊那食品工業株式会社。『かんてんぱぱ』ブランドで知られる寒天のトップメーカーです。その独特の社風や経営理念から「後世に残したい会社」として本に書かれたり、マスコミに取り上げられたりしています。この会社の本社・工場が長野県の南のほう、伊那市にあるのです。中央アルプスと中央アルプスにはさまれた伊那谷エリアの自然に恵まれた森の中に、会社の施設と併せて、寒天を使った料理がいただけるレストランやカフェ、ショップ、ベリーガーデンや山野草園、芝生広場、さらに多目的ホールやフォトギャラリーなどがあります。それが「かんてんぱぱガーデン」。誰でも自由に過ごせるのです。あ、おいしい水も汲めましたねえ。もともと、伊那食品で働いている人のための憩いの場として、テニスコートやゴルフ練習グリーン、庭があったところに工場などを作り、本社・研究所が作られたそう。社員のために作られた最初の頃から、一般の人が誰でも自由に入れるようになっていたそうで…。そのガーデン内のレストラン「さつき亭」で、伊那食品工業(株)営業推進部課長の太田和也さんにお話をうかがいました。
 
私の一番の疑問は「海草が原料の寒天なのに、海から離れた…ってか、海のない長野県の会社がなぜトップメーカーなのか?」ということ。その答えは、信州の気候にありました。今でこそ工場内で生産されますが、昔は全て露天干しで作られていた寒天。その際に冬の寒さを利用したのだそうです。今で言う“フリーズドライ”を天然で行えたのが信州なのです。冬の気温が、朝はマイナス10℃からマイナス12℃まで下がり、昼はプラス5℃まで上がるのが、工場のある伊那谷や、ほかに諏訪谷、茅野といったエリア。昼の温度が上がって寒天が溶けることが絶対条件なので、寒すぎても雪が降りすぎてもダメなのだそう。この伊那谷は最適地だとか。現在は機械化されているので他の土地でも生産できるのですが、「この地で始まった仕事だから、伊那谷の雇用を守らなくてはいけない。また、この自然環境は何ものにも代えがたい。」ということから「移転しても意味がない」ときっぱりおっしゃいます。代表取締役会長の塚越寛さんは、「会社を通じて社会に貢献しなくてはならない。仕事・会社を通じて幸せにならなくては。真っ先にやらねばならないのは社員の幸せ。それから社員の家族の幸せ。さらに地域の方々の、そして取引先の方々の…と、幸せを追い求めていくのが企業の使命」だと、創業時からおっしゃっていたそうです。社員一人から始まる幸せリレーの原点なのですねえ。そう考えると、緑豊かな本社・研究所・工場というのもうなずけます。太田さんがさらに教えてくれました。「社員一人一人が満足して働ける、一人一人の幸せ度が上がることが会社の成長だと考えているので、一日の中で一番多い時間を過ごす会社の環境が一番いいという状態にすることが一番会社の成長だと考えているんですよ」と。確かに、本当に居心地のいい場所なんですよ。ここ。こういう良さって伝染しますよねえ。で、このガーデンはすべて、全社員さんが自分たちで毎朝掃除して、木の剪定などのスペシャルケアまで全て自分たちでなさっているそうです。取材の翌朝、ガーデン前を通ったら、ほんとにみなさん総出でお掃除してらっしゃいました。
伊那食品はずっとプラス成長を続けている稀有な企業です。数年前に寒天ブームがありましたが、あのブームを“歓迎できない状況だった”と考えてるような企業です。本で読んだのですが、少しずつ成長していくのが理想であって、極端な伸びは長く緩やかな成長の妨げにしかならない、という内容のことが書かれていました。当時、需要が多く、「長年の取引先に迷惑がかからないように(品薄で商品が足りず、みなさん仕入れに苦労されていたそう)、仕方なく増産した」と、そのあおりが翌年以降に出た、というようなことも書いてありました。太田さんにプラス成長のことについて伺うと「社員も、今日より明日、明日よりあさって…と、だんだんいい暮らしがしたいし、生活したい。そのためには、本人が満足する仕事をしないとどうしても実現できない。実現するためには、いかに効率よく仕事をするかと、各々が考えるようになる。そうすると会社というのは、ギシギシと管理しなくてもしっかり成長していくし、その分人もたくさん必要じゃなくなるんです。特に管理部門はかなり人を少なくできる…楽になるんです」と、おっしゃってました。で、ばしばしリストラしてるのかと思うと「私が中途入社して19年。その間に社員のクビをきったということは、ほとんどないと思います。知る限り、ほかの事をやりたいからとか家業を継ぐという理由の退社しかないですねえ」とのお答え。さらにすごいのは、年長社員さんの働き方。60歳定年ですが、65歳までは“シニア”としてそのままの職場で働けます。65歳を過ぎると、付属の農園で野菜や米を作る仕事に従事できます。収穫された野菜や米は、かんてんぱぱガーデン内のレストランで提供されています。つまり、OBがOBじゃないんです。もちろん、リタイア希望者は好きなところでOB生活に入れますが。
ガーデンを含めた緑化だけでなく、産業廃棄物の100%リサイクルなど環境に対する活動でも高い評価を得ている企業ですが、それは「寒天にとって環境が大事だから、私たちも環境を大事にするんです」とのことでした。寒天の原料は、テングサ、オゴノリ(刺身のつまについてくる青いほうの海藻)、紅藻類などで、世界中の海からやってきます。しかし、きれいな海でとれたものでないと使えないのだそう。これらの海藻の外の皮をむくと出てくる、中の寒天質が原料になるのですが、きたない海でとれた海藻は外の皮が分厚くて中が少なく、効率が悪すぎて使えないのだそう。そうか。海を作るのは森って言いますもんねえ。納得。
ところで、食べる以外に寒天が使われるものとして、化粧品のファンデーションや口紅があるんですって!“落ちにくい”がウリのタイプには結構使われているそう。カンテンには保湿性があるので、肌に潤いが与えられるということで。あと、医薬用のソフトカプセルの原料とか。寒天の難消化性と食物繊維がいい働きをするのだそうです。体温で溶けないし、胃酸でも溶けません。小腸の酵素でやっとバラけて薬効成分が出てきます。よって必要量の薬剤ですむので副作用も少ない、となるのだそうです。
そんな話を聞いて、「さつき亭」のお料理をいただくと、おいしさもひとしおです。いただいたのは、寒天入りオリジナルソースにくぐらせたソースカツ丼(駒ヶ根名物)と寒天麺のセット。そして、デザートの杏仁豆腐、みつ豆、クリームあんみつ。いずれも寒天入り。
 
 
ラジオ祭りでも、おいしいかんてんぱぱブランドの製品が登場すること間違いなし。私のお気に入りはドレッシングと寒天ぞうすい(お湯を注いで2分待つだけ)。「さわやか信州」ブースでお待ちしております。
○かんてんぱぱ(伊那食品工業) → http://www.kantenpp.co.jp/index.html

御柱祭2

7年目毎、寅年と申年に行われる諏訪大社の御柱祭。来年春に近づいてきました。詳しくは先週のブログにも記しましたが、このお祭りを見るだけでなく参加することもできるのだそうです。上社のほうは地域性が強いので入れていただくのは難しいのだそうですが、下社のほうは受け入れてくださるそうです。中には気持ちを盛り上げるために法被を購入して参加する方もいるのだとか。3000人の氏子さんと一緒に木遣りの声に導かれて、500mの曳き綱を持ち10tの柱を曳いてみるのは貴重な体験ですよねえ。
もしジャストのタイミングで諏訪に行けなくても、いや行けても訪ねてほしいのが「御柱体験ひろば」。諏訪大社の上社と下社の中間地点くらいに作られました。「体験御柱」が展示してあるので、御柱に触ったり乗ったり写真を撮ったりすることができます。御柱は上社と下社でスタイルが違います。柱にV字に木が刺さっているのが上社型。これを「めどでこ」といいます。「めどでこ」に綱が渡してあるので、柱本体に加え、V字に人が鈴なり状態になるようです。しかし、実際足をかけてみると、かなり筋肉を使ってバランスをとらねばなりません。しかも高い!これで木落としや川越えをすると思うと…すごいの一言です。
  
下社は柱のみのストレート。またがってみると、体を安定させるためのひっかかりがないことを痛感しました。ちょっと木落とし坂の雰囲気をを味わえるように斜度がつけてあるのですが、緩やかなのに結構緊張感が走りますよ~。これで斜度35度の下社の木落とし坂を下る…いや落ちると思うと背筋が凍ります。ぷるぷる。せっかくなので木遣り気分も味わってみました。
 
諏訪大社は大きく分けて上社と下社があり、さらに上社には本宮と前宮、下社には春宮と秋宮があることは先週も記しました。さらにここの神様の個性的な面をお伝えしましょう。上社は男の神様、下社は女の神様です。極寒の日、諏訪湖は凍結してその氷が山脈のように盛り上がった裂線が発生します。これは、地元では「御神渡り(おみわたり)」と呼ばれ、上社の男神様が下社の女神様に逢いに行った道筋跡=恋の道だと言われています。また、諏訪大社の神様は、暑い夏の間は春宮で過ごし、寒い冬は秋宮で過ごすという風習を持っています。夏をすごし終わった神様を、8月1日に「柴舟(長さ10m、重さ5t)」にお乗せして春宮から秋宮にお送りするのがお舟祭です。取材の日、神様は秋宮にお移りになった後だったので、秋宮に参拝。深い緑に囲まれた境内では、日本一大きい青銅製の狛犬も見られました。また温泉も湧き出てましたが、これがめちゃ熱っ!飲用どころかすくってすぐには触ることもできない温度でした。でも、ありがたいお湯です。
 
 
 
○ 諏訪大社 → http://suwataisha.or.jp/
○ 御柱祭  → http://www.onbashira.jp/
○ 御柱体験ひろば → http://www.city.suwa.lg.jp/www/event/detail.jsp?id=2341
また、秋宮のそばは、中山道と甲州道中の合流地点。江戸時代、諏訪大社詣ではもちろん、江戸へ向かう人、京を目指す人、善光寺参詣に向かう人が行きかっていたのだと思うとわくわくいたしました。右写真の右横断歩道方面と右正面にまっすぐ伸びた方が中山道。左手のカーブした道が甲州道中です。
 
○ 下諏訪観光協会 → http://shimosuwa.com/home/index.html
そうそう!松本市の美ヶ原高原から諏訪湖にいたるまでの美しい山並みを楽しめる道、ビーナスラインを走行中にも中山道を発見!昔の雰囲気を感じとれましたよ。
 
今回のおまけは、松本市の鈴木さん。アルプちゃんデザイン入りのワゴンで、松本エリアでの取材をサポートしてくださいました。10月24・25日のラジオ祭り「さわやか信州」ブースにかけつけてくださるはず。なんでも相談してくださいね~。来週はいよいよ最終回。ラジオ祭りで楽しめる信州を中心にお伝えします。

御柱祭

 みなさま、「御柱祭」って、ご存知ですか?天下の大祭、日本三大奇祭などといわれるもので、人を乗せた大きな丸太の柱が山肌を滑り落ちていく様子を映像や写真でご覧になったことがあるかと思います。あれです。この祭りは、諏訪湖畔にある諏訪大社の「式年造営御柱大祭」として、7年目ごと=寅と申の年に行われます。つまり、来年平成22年は御柱祭の年なんです。あの巨大丸太が滑り落ちるのがお祭りの全てだと思っていた私。とんでもない大間違いでしたっ(大汗っ)!御柱祭の期間は、4月初めから6月半ばにかけての長期間。丸太の滑り落としは「木落とし」といって、祭りの最大の見せ場でもありますが一部分なのです。御柱祭は1200年以上続くお祭りで、寅年と申年に神社の宝殿を新築し、社殿四隅にある柱=モミの大木を立てかえるものなのです。しかも、諏訪神社は上社と下社2つあり、上社に本宮と前宮、下社に春宮と秋宮、計4つのお宮があるのです。つまり柱も4×4で16本!柱は長さ約17m、直径1mあまり、重さは約10tという大きさ。これを人力のみで山から里まで曳いていき、もちろん人力のみで立てるのです。500mの曳き綱に3000人の氏子がついて曳くのだそう。
 
で、件の「木落とし」ですが、下社の場合、斜度約35度、斜面の長さが約100m。まさにスキーのジャンプ台のような感じだそうです。上社下社とも4月に行われるのが山から里の入り口まで御柱を動かす「山出し」、5月に行われるのが里の中をお宮まで曳いて柱を立てる「里曳き」です。「山出し」は勇壮かつ豪快で、下社は最大斜度をもつ木落としが、上社は木落としに加えて冷たい川をこえる川越えも見どころでしょう。ちなみに木落としの時に柱の先頭に乗る“はなのり”は名誉な役だそうで、基本は地域にその働きが認められた人が選ばれるそうです。なんだか博多祇園山笠でいうところの“台上がり”みたいですね。でも、柱に体ひとつでしがみつくのですから最後まで乗っかっていられるのは数えるほど(1人いるかどうか…らしい)ですので、その条件の厳しさゆえ年齢は40~60歳くらいなんだそうです。チャンスが7年に一度と考えると狭き門です。さて、ひと月後の「里曳き」はがらりと趣きが変わり、騎馬行列や花笠踊り、長持行列などが華麗な道中絵巻を繰り広げます。そして、拍手喝采の中で社殿に柱が立てられる瞬間の豪快さも見逃せない瞬間です。スケジュールは上社の山出しが4月2・3・4日、里曳きが5月2・3・4日、宝殿遷座祭が6月15日。下社の山出しが4月9・10・11日。里曳きが5月8・9・10日。宝殿遷座祭が5月7日となっています。
今回詳しいお話を聞かせてくださったのは、下諏訪町木遣保存会事務局長の小松直人さん。下社の御柱に携わる方です。木遣というのは、御柱になくてはならない掛け声歌、とでもいいましょうか、御柱の指揮者で先導役を務める方々のことです。柱を動かす時に、何千人もの氏子の心をひとつにし、神木を山からお連れせねばなりません。♪奥山の大木、里に下りて神となる~♪の木遣りで山の神様をお呼びして、ご神木=御柱が動き始めます。ほかにも氏子さんたちに「力を合わせて」とか「ここは難所だ」とか状況を見て注意点を喚起する木遣りもあり、無事に柱が到着すると山の神様をお返しする木遣りなどもあるのです。氏子は木遣りによって力をもらい、無事に御柱をお運びし、木遣りによって喜びをかみしめるのです。
 
これは、一度は見てみたい。いや、参加してみたい。で、一般人も参加したり、時期がずれていても体験したりする方法がありますので、それを来週はお伝えしますね。
※諏訪大社 → http://suwataisha.or.jp/
※御柱祭  →  http://www.onbashira.jp/