宝樹寺 住職 林義淳さん(38歳)
今回は北九州のお寺のちょっとユニークなご住職にお会いしてきました。北九州市小倉北区の宝樹寺のご住職、林義淳さん(38歳)です。林住職は、ちょっと敷居が高くて閉鎖的お寺を、誰でもコンビニ的感覚で立ち寄れる、バリアフリーなスポットにしたいと色々な取組みをなさっています。
そんな林住職に初めてお会いした時は、ちょっと面食らいました。ご住職の服装は、いわゆるお坊さんスタイルの袈裟でも作務衣姿でもなく、Tシャツにブルゾン、パンツ姿というカジュアルなファッションで迎えられたんですよ~。勿論、お経を唱える時はちゃんとお坊さんの服を着ていますが、普段は、皆さんに構えて欲しくなくて、カジュアルな服で接していらっしゃるとのことです。
そして案内されたのは本堂ではなく、「寺喫茶・カフェテラス」です。ここは、利用料300円(飲み物代込)を払えば誰でも利用できるコミュニティ・カフェです。ここでは、住職ではなくマスターと呼ばれています(笑)。因みに、ここを開設したのは、引きこもりの人に居場所を提供したいという思いからです。実は、ご住職は引きこもりの人を支援するNPO法人の理事も務めていらっしゃるんですよ~。毎月1回、カフェで引きこもりの経験者や、引きこもりの人を抱えるご家族の方と自由にお茶会(誰でも参加OK)を開いていますが、そこでの会話を録音してインターネットで配信しているので、お寺のホームページで随時聴けるようになっています。どこかで引きこもっている人がこの会話を聴いて、「ここには自分の居場所がある」と思って貰えればということです。
こうやって一生懸命になるのは、ご住職自身が、人生について長い間、悩み続けてきたからだそうです。実は、ご住職は、実家がお寺というのがすごく嫌だったそうなんですよ~。それで、自分の将来や、生きる目的がわからなくて苦しんでいたそうです。20歳からは久留米市で、フリーターをしながらパンクロックのバンド活動に没頭しましたが、それでも生き方の答えを見つけられませんでした。そして、27歳の頃、ご家族の方が体調を崩されたこともあって実家に戻りました。そこで、初めて浄土真宗の教えに真剣に向き合って、身も心も楽になったと感じることができたそうです。そんな遠回りをしてきた自分だからこそ、何かを抱えて立ち止まっている人の側に寄り添ってあげたいという思いが強いそうです。
また、高齢者を集めて月に1回、歌や体操で健康づくりもしています。1人暮らしの高齢者の方が多いので、みんなで定期的に集まることで、引きこもりや孤独死を防ぐことに繋がればと願っています。その他、お寺では自筆の遺言書の作り方や成年後見制度を学ぶ劇も上演しています。
とにかくハートは今もパンクロッカーなので、お寺の既製概念をぶち壊したいということです。そうすることで、これから地域のネットワーク作りの一環としてのお寺の役割の可能性をもっともっと広げていきたいということです。